予防による治療の軽減を目指します
「歯医者で歯を削って治療すればむし歯は治る」と思っていませんか?
歯ブラシが届きにくい穴をふさぐために、歯医者では歯を削り詰め物をします。
むし歯の原因が改善されなければ、すぐに新しいむし歯が発生する恐れがあります。
歯の治療(歯を削る事)をくり返し続けると、歯を失ってしまう可能性があります。
むし歯によっては、フッ化物入りの歯磨き粉を使い、毎日歯磨きをすることで、歯の表面がツルツルになり進行が止まることがあります。
そうなると、歯磨きや生活の習慣を見直すことで、歯を削らなくても健康な状態を維持することが可能ですよね。
むし歯の原因となる生活習慣を改善することが、健康な歯を保つのに何より重要と考えております。
多くの方の歯には、みがき残しがあります。
毎日みがいていたとしても、みがき残しは大抵同じ場所なので、「何ヶ月もプラークが居続けて酸を出し続けていた」こともあります。
当院ではブラッシング指導時に、赤染めや光の照射などでみがき残しを「見える化」させ、場所と割合を確認しています。
みがき残し0%は理想的ですが、数分の歯みがきでは現実的に難しいためまずは20%以下を目標にしましょう。
歯ブラシが届いていない部位を知り、正しいみがき方を練習することによって、予防歯科がスタートします
フッ化物の使用
フッ化物が配合された歯磨き粉はむし歯予防に高い効果が報告されています。
日本でも2012年に母子健康手帳にフッ化物についての質問事項が追加され、2017年にはフッ化物入り歯磨き粉のフッ化物イオン濃度の上限が1,500ppmまで引き上げられ、1,450ppmくらいの歯磨き粉が歯科医院やドラッグストアに並んでいます。
- 1歯の修復を早くする(再石灰化)
- 歯が解けるスピードを遅くする
- 歯を強くする
- 細菌の活動を邪魔する
フッ化物の効果を十分に得るには、フッ化物入り歯磨き粉でブラッシングし、お口の中にフッ化物がある状態をキープすることが必要です。
フッ化物濃度1000ppmで約23%、1500ppmで約30%のむし歯予防効果が期待されます。
フッ化物は歯が届きにくい部位にも有効なため、子どもから高齢者の方まで幅広い年代の方に使用していただくことをおすすめします。
子どもにフッ化物を使用することを不安に思う親御さんもいらっしゃると思います。
「年齢や歯の状況に合わせたフッ化物の濃度」を知ることが大切です。
5歳以下の幼児は、体重あたりのフッ化物量が多くなると、歯のフッ素症(歯に白や茶色の斑点が出る症状)を起こす恐れがあるため、子ども用の低濃度フッ化物入り歯磨き粉の使用をおすすめしています。
(年齢によって量や注意事項が変わりますので、詳細は当院での予防歯科でご案内しています。)高校生以上では歯のフッ素症の心配がなくなるため、一般的な高濃度のフッ化物入り歯磨き粉の使用ができます。
フッ化物入り歯磨き粉使用後のゆすぎすぎはNG?
せっかくフッ化物を口内に取り込んだのに、うがいをし過ぎて大半を流してしまうことがあります。
「15mlくらいの水で約5秒くらいの軽いゆすぎ」程度にして、フッ化物をきちんとお口の中にキープし、むし歯予防効果を高めていきましょう。
むし歯になりやすい歯や人のタイプは?
生え始めたばかりの永久歯は、硬さが中途半端でみがきにくいため、むし歯になりやすいです。
フッ化物入りの歯磨き粉を使用した予防方法はぜひ試していただきたいと思います。
他にもドライマウス、矯正治療中、糖や酸を飲食する回数が多い方、手が不自由でブラッシングが難しい方などは、むし歯のリスクが高いため、フッ化物入り歯磨き粉にプラスしてフッ化物入りうがい液などのケアも必要です。